10月24日の写真です。
この時は元気いっぱいだったのですが……。
かぶとくんは愛之助くんという名前をつけていただきました。
歌舞伎に関する名前を・・・といろいろ探していただき、
8月に『桜姫東文章』が上演された際に、
清玄役で片岡愛之助さんが出演されていたことから、
かぶとくんにぴったりと命名していただきました。
ストロワヤ改め新之助くんと一緒にお引越しする予定でした。
26日の朝、私が起きたとき、枕元で愛之助くんがすやすやと眠っており、
かわいいなあとしばらく眺めていたのを覚えています。
その後、朝ごはんもしっかり食べていたし、
午前中は走り回って他の子とプロレスして遊んでいました。
夕方にごはんをあげた時のことはあまりよく覚えていないのですが、
10時過ぎに夜食をあげたとき、愛之助くんだけお皿に寄って来ず、
水のみ場でぼんやりしていました。
なんか変だと思い、お皿の近くに連れて行っても無反応、
抱き上げた感触も力なく、ベッドに置けばそのままうずくまってしまう。
明らかに異変を感じ、病院へ電話して、連れて行きました。
到着したとき、院長先生は手術中で、若い先生に愛之助くんを託していったん帰宅。
12時近くになって、院長先生から連絡がありました。
「極度の貧血で、エコーでおなかを見ると血がたまっていて、
内臓のような塊が見えるけれど、何がなんだかわからない状態。
腹部がどうなっているかはあけてみないとわからないけれど、
手術をしても、まず助からないと思う」というようなことを言われました。
状況がわかれば何か可能性もあるのでは、という気持ちと
助からないとわかっているのに、
こんな時間から手術をお願いするのは申し訳ないという気持ちで
どう返事をしていいかわからず、しばらく黙ってしまいました。
私の気持ちを察してくれたのでしょう。
「助からなくてもよければ手術してみる? できる限りのことはしてみる」と
言っていただいたので、すぐに手術をお願いしました。
輸血が必要だと思う、といわれたので、
桜姫を連れて病院に行き、手術に立ち合わせていただきました。
(以前手術を見学させてもらって貧血を起こしたことがあるので、
傷口は見えないところで……)
結果、肝臓が捻転していました。
院長先生も今まで経験がないそうです。
捻転した肝臓を戻したとき、今まで血流がなかったところに
一気に血流が戻ったそうです。院長先生と若い先生が
「すごーい」というのを聞き、一度は期待をしました。
が、捻転していた部分に、悪い物質(名前はおぼれられませんでした)がたまり、
血流が戻ったときに、その物質が広がって心臓に負担をかけてしまったそうです。
ショック状態になり、モニターの心拍数がどんどん落ちていきました。
縫合を手早く済ませ、蘇生措置も施してくださいましたが、
心拍数が戻ることはありませんでした。
11月27日の1時頃、愛之助くんは息をひきとりました。
胃捻転や腸捻転なら聞いたことがありますし、
もし、腸捻転だったら助かったかもしれない、とも言われました。
院長先生が時々外科手術を手伝ってもらう獣医さんも、
肝臓の捻転というのは見たことがないそうです。
よほどレアなケースだったようです。
はしゃいで転げまわってるうちに、変に体をひねったか、
どこかにぶつけたか、そんなはずみで、肝臓がひっくりかえっちゃったのでしょう。
9月7日に祭くんが肺炎で亡くなって以来、
子猫たちの体調は注意深く観察してきたつもりでした。
ワクチンも1回済み、子猫たちの体重もいつも以上に順調に増えて、
ようやく安心していいかな、と思った矢先の出来事でした。
ブログに書くこと、どうしようかとも思いましたが、
愛之助くんの成長を気にかけてくださっている方が多いこと、
愛之助くんと新之助くんが一緒にお引越しすることを喜んでくださった方も多いこと、
愛之助くんと新之助くんは、今後里帰りもしてくれる予定で、
そのことを知っている方もいらっしゃることから、
愛之助くんたちのことについては、きっと誰かから様子を聞かれると思うし、
そのたびに、話をするのも辛いなと思いました。
ここに記せば、「愛之助くんどうしてる?」と質問してくる可能性のある方の
目にはとまるんじゃないかな、と思いました。
肺炎ではなく、肝臓捻転という、飛行機事故にあったような、
不運としかいいようのない症状で亡くなったから、書く気になったのかもしれません。
何時に捻転がおきたかはわかりません。
もっと早く気づけば・・・とも思います。
でも、診療時間内に病院に行ったとして、いつも混雑している病院ですから
すぐに手術してもらえたかはわかりません。
私が到着したとき、手術中だったからこそ、獣医さん3人、看護士さん2人がいらっしゃいましたが、
手術がなければ、夜10時頃は当直の先生ひとりのはずです。
それが院長先生であったとしても、ひとりでは、すぐに手術ができるものでもないでしょう。
今回は、院長先生と獣医さんひとり・看護士さんひとりが手術室、
獣医さんひとりと看護士さんが、別室で桜姫の採血やクロスマッチテストをしてくれた、
という状況でした(先に手術した子の様子も見なくてはならなかったことでしょう)。
もしも、ということを考えるなら、
ワクチン1回終わった段階でお引越ししていれば、
私の家で何かの拍子に肝臓が捻転する、という瞬間はなくなったかもしれません。
でも、それって、「あの飛行機に乗らなければ…」ということですよね。
本当にどうしようもない瞬間というものがあるのですね。
愛之助くんは、本当に愛らしい天使のような子でした。
将来どんなキレイなノルに成長するか、とても楽しみでした。
元気に育つだろうと思っていたので、残念でなりません……。
紫苑くん、とんぼくんには、愛之助くんの分まで
元気に幸せに育ってほしいです。